ジャズピアニスト小曽根真さんのコンサート|人生が変わる⁈本物を見て感じて思ったこと

小曽根真さんが沖縄にやってきた!

世界的に有名なジャズピアニストが沖縄に⁈

来沖を知ったのは、バス停に貼られていたポスターを夫が見かけたから。有名人だし、公演当日まで1週間を切っていたのでチケットはもう売り切れてるのかと思いきや、まだ残っていたのです!買ってきてくれた夫に感謝♪

小曽根さんを知ったのは25年ほど前。ちょうどトリオを結成したときに聴いたアルバムでファンになりました。

その後はクラシックも学ばれて、ジャズとクラシックを融合させた演奏に定評があります。過去には沖縄交響楽団とコラボで演奏されたようで、沖縄には何度かいらっしゃっていたのですね。

今回は、小曽根さんが今年60歳を迎えた記念公演「OZONE 60」です。ソロ演奏でどんな世界を見せてくれるのかワクワクしました。

開場1時間以上前から列が!

会場は南城市にあるシュガーホール

開場14:00、開演15:00。全席自由だったため、いい席を確保したくて13:00頃に到着。1時間も前なのに50人ほどがすでに並んでいるではありませんか!上には上がいますね(笑)。

コロナ対策でチケットの裏面に名前と連絡先を書き、検温、手指消毒後に入場です。

初めてシュガーホールに行ったのは私が20代の頃。クラシックギタリスト村治佳織さんの公演でした。今回と同じように開場前から長蛇の列だったなぁ、なんて思い出しました。

あの当時は駐車場が狭くて車が停めにくかったのですが、現在は200台駐車可能。周辺の環境もだいぶ整備されています。

ホールの音が素晴らしすぎた

ステージにはヤマハのグランドピアノが一台。

確保した座席は前から2列目の左側を。鍵盤がよく見える位置で聴きたかったからです。

そして、待ちに待った小曽根さんが舞台の袖から登場! 

静かにイスに腰かけて、演奏がスタートします。

その音の良さにビックリ!会場のすみずみまでクリアに響きわたるのです。楽器にはマイクなんかついていません。

曲に合わせて足でリズムをとり独特の演奏をする小曽根さん。床を踏み鳴らす音も心地良くて爽快感極まりなかったです。

そしてバラード曲ではあまりの心地よさにウトウト…眠気半分の鑑賞半分…。脳からα波が出まくりでした(笑)。

舞台の高さは観客席から50センチほど。とても臨場感のある作りになっています。小曽根さんもこのホールの音響を絶賛されていました。

曲の合間は小曽根さんのトークで進みます。穏やかな笑みを浮かべながら、ちょっと笑えるネタも盛り込まれていて楽しかったです。

休憩中も調律師がピアノのメンテナンス

2時間の公演半ばで20分の休憩。その合間にも、調律師がピアノのメンテに入るほどのこだわりようです。

シュガーホールには調律師が常駐しているのだとか。ホールもさながら、音に対する強いこだわりを感じさせてくれます。だからこそ、一流のアーティストがここで演奏するのかもしれません。

最前列のど真ん中にいた子どもが印象的だった

小曽根さんの次に印象的だったのが、最前列の真ん中に座っていた7歳くらいの男の子でした。

ノリノリの曲が演奏されると、座席で身体をバウンスさせながらリズムに乗り、曲が終わると席から立ちあがって両手を上に高くあげて拍手するのです。

とはいえ、大声を出すわけではなく、最後までお行儀よく聴いていました。公演が終盤に近付いても、飽きることなく小曽根さんに集中している様子。おそらく音楽教室に通っている子なのかもしれません。

小曽根さんもその子のリアクションに「ありがとう♡」と声をかけてくれたりと、ほっこりする場面も。

一流を見ることは人生を変えるきっかけにもなりえる

子どもの頃に一流の人や物を生で見る経験は、大人になってあとも人生の宝物になると思っています。

その例の一つに沖縄出身のダンサー、仲宗根梨乃(なかそね りの)さんのエピソードがあります。彼女は子どもの頃にマイケル・ジャクソンのコンサートに行ったのがきっかけでダンスの道を選んでいます。

10代で単身アメリカに渡り、ブリトニー・スピアーズのバックダンサーをつとめ、その後は韓国アイドルの振り付けをするなど国内外で大活躍されています。

この話を聞いたとき、一流どころを生で見てそのエネルギーを直に感じることは、人生を変えてしまうくらいのインパクトがあるのだと思いました。

音楽に限らず、スポーツや絵画など、一流の技とパフォーマンスは大人でも感動します。子どもの頃からそんな体験がたくさんできるのは幸せなことですね。

音楽関係者が多いせいか、聴く姿勢が素晴らしかった

音楽関係者が多かったからでしょうか⁈ 観客の聴く姿勢も素晴らしかったです。

ピアノの鍵盤から手が離れても、音のエコーが終わるまでみんな集中して聴いているのです。全ての音が鳴り終わり、小曽根さんが客席を向いたときが演奏終了の合図。その直後に大きな拍手があふれます。

音楽のジャンルやその場の雰囲気にもよりますが、曲が終わる前から拍手する人がいたりと反応は様々です。今回は観客の「音を最後まで聴こうとする姿勢がスゴイ!」と感じた私。音楽の作法といいますか、より深いこだわりのある楽しみ方を教わった気がしました。

アンコールが2回も!

拍手が鳴りやまず、2回もアンコールに応えてくれました。

最後は全員でスタンディングオベーション。割れんばかりの大きな拍手と感動の渦が会場を包んでいました。

2020年はコロナ禍でライブ活動がほとんどできなかったという小曽根さん。自宅での演奏を動画で発信し続け、視聴者からのコメントにより初心に返ることができたと話されていました。不可抗力でできないことがあっても、人の心はいつでも繋がることができるのですね。

今回は500人近い観客が訪れました。コロナが落ち着いて以来、こんなに多くの人が聴きに来たのは久しぶりだったかもしれません。小曽根さんも胸いっぱいな表情で、見ているこちらも涙が出てきました。これで料金が4,000円なんて安すぎます!!さらに南城市民には特典割引も。シュガーホールさん太っ腹~。

今回は本当にポジティブなエネルギーをもらうことができました。やはり会場で聴くのは楽しいです♪

2020年の緊急事態宣言以来ずっと、人が集まる場所に出かけていなかったので、久しぶりに素敵な体験ができました。

小曽根さん、ありがとうございました!またコンサートでお会いできるのを楽しみにしています。