普通の化粧品と薬用化粧品の違いとは?
相談者相談者

最近、「医薬部外品」と書かれた化粧品が目立つなぁ…。普通の化粧品と何が違うんだろう?

化粧品コーナーでこのように思われたことはありませんか?

今回は、 薬用化粧品と普通の化粧品の違いについて解説していきます。両者の違いを知って化粧品選びの参考になれば幸いです。

化粧品は薬用化粧品と一般化粧品の2種類がある

化粧品とはどのようなものを指すのでしょうか?

化粧品は法律により、大きく2種類に分けられています。

それは、一般化粧品と薬用化粧品です。

図の➀と②が化粧品とみなされます。

薬用化粧品は医薬部外品の中に含まれており、それ以外の化粧品は一般化粧品に分類されます。

この2つを含めて「化粧品」とよびます。

化粧品の定義

化粧品は医薬品機器等法(略して薬機法)で以下のように定義されています。

「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)

難しい言葉が並びますが、

化粧品は「人体に対する作用が緩和なもの」とだけおさえておきましょう。

薬用化粧品

薬用化粧品は、医薬部外品の中に含まれます。

一般化粧品の使用目的に加えて、肌荒れやニキビ予防、日焼けによるシミ・そばかすの予防などの目的を合わせたものを指します。

そのため、厚生労働省が認めた有効成分が規定量配合されているものでないと薬用化粧品と呼ぶことはできません

広告で「国が認めた成分○○」、「国が…」というキャッチコピーが書いてあるのはつまり、「厚生労働省が承認した成分が配合された商品」だということをPRする狙いがあります。

薬用化粧品かどうかはパッケージで確認

薬用化粧品かどうかはパッケージを見るとわかります。

「薬用」や「医薬部外品」という表示があれば薬用化粧品です。

また、承認された有効成分の効果効能もあわせて表示されています。

例えば、「日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ」、「シワ改善」、「肌荒れ、荒れ性を防ぐ」、「ニキビを防ぐ」などです。主に「予防」を目的としたものになります。

一般化粧品と薬用化粧品は成分表示のルールが違なる

一般化粧品は配合されている全ての成分をパッケージに記載することが法律で義務づけられています。

一方、薬用化粧品は全成分を表示する義務はなく、業界団体による自主基準となります。

そのため薬用化粧品は配合されている全ての成分を確認することができません。

しかし最近は、薬用化粧品であっても全成分が表示されている商品が増えてきました。

また、パッケージではなくホームページで全成分が確認できる会社もあります。

消費者の成分に対する意識が高くなっているのがうかがえますね。

まとめ

➀ 化粧品は一般化粧品と薬用化粧品の2種類に分類されます。

② 薬用化粧品は医薬部外品として認められているもので、それ以外の化粧品は一般化粧品です。

③ 薬用化粧品は厚生労働省に承認された有効成分が規定量配合されているものをいい、容器や外箱に「薬用」や「医薬部外品」と表示されます。

④ 一般化粧品は全成分の表示が法律で義務付けられていますが、医薬部外品は業界団体による自主基準です。

【参考】

日本化粧品工業連合会 

日本化粧品検定1級テキスト